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官能刑務官は頑張っています6 いじめっ子の本性

 身体検査が終了して、囚人5人に着衣の許可を与え、雑居房に移動させる段階になって、私はようやく肩の力を抜いた。新入りへの身体検査を今回初めて任されて、先輩に見守られながらなんとか成功させることができ、少なからぬ達成感に満たされた。
 正直言って、この時、油断していたと思う。
 私からバトンを引き継いだ先輩が囚人たちを検査室から外へと連れて行く途中、鬼塚さんが直近にいても私は気付かなかった。彼女に耳元で囁かれて私は驚いてしまった。

 もっと驚いたのはその内容だった。
「なに調子乗ってんの?」
 鬼塚さんはそう言ったのだ。先輩刑務官に気付かれないよう、彼女が背を向けたタイミングを狙って、こっそりと私にだけ聞こえるよう言ったのである。
 それは、高校時代に何度も聞かされた言葉だった。定期テストで学年一位を取った時、その結果が廊下に張り出されているのを見て優越感に浸っていた私に投げ付けられたのが、この台詞だ。実のところ私はそれまで自分以外の人間は馬鹿だと思い込んでいたので、内心を見透かされたような気になり、ドキッとしてしまった。しかしどうも鬼塚さんは私のその反応を反発だと受け取ったようで、これ以降、なにかあるたびに文句を言われるようになり、だんだんと周りも巻き込むようになって、完全なイジメへと発展していった。
 久しぶりに聞いた鬼塚さんの台詞に、心臓が暴れ出しそうになった。掌にじんわりと汗が浮かんでくる。これがトラウマというやつだろうか。
 おそらく鬼塚さんは、こうなることを計算した上でああ言ったのだろう。

 緊張を露わにしてしまった私のリアクションに満足したのか、鬼塚さんは薄く笑って検査室を出て行った。
 なに? これは?
 もしかして鬼塚さんは、昔みたいに私のことを苛めるつもりなのだろうか。さっきまでの従順な態度は、猫を被っていただけだったということ? 最初に私を油断させたかったとでも?
 きっとそうだろう。
 先輩がいたからだ。他の刑務官がいたから鬼塚さんは従順にしていたのだ。それで、先輩刑務官が目を離した隙に、本性を見せた。そういうことだろう。つまり、今後も一対一になった時は、高校時代のように高圧的な態度に出てくるということになる。
 …………。負けるわけにはいかない。私は警棒を強く握った。あの時とは違うのだ。私は刑務官で、彼女は囚人である。私は、圧倒的に有利な立場にいる。囚人たちが一致団結でもしない限り、立場が逆転することはない。

 一致団結?
 なんだか嫌な予感がする。高校時代、鬼塚さんはクラスメイトをひとつにして、教師より上の立場を手に入れていた。彼女の標的になった教師は、授業中でも放課中でも関係なく、様々な嫌がらせを受け、ろくに反撃もできずに泣き寝入りしていた。
 あれがこの刑務所で再現されない保証がどこにあるだろう。
 一応、身体検査の時は、彼女のせいにして他の囚人にも連帯責任を課し、懲罰を与えたりもしたが、それだけでは全然足りないのではないか。もっと鬼塚さんを追い込んで孤立させる方法を考えた方が良いのではないだろうか。
 私は真剣に考え始めた。
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